楽器(パーカッション)としてのナタマメ

      

  トラピチェでは、「ナタマメ」と呼んでいますが、豆をサヤごと乾燥したもので、長さは数十センチほどにもなります(写真参照)。
 たぶん、南米産だと思ってます。
  振るとサヤと中の豆がぶつかって、カシャカシャと音がするので、パーカッション用の楽器として販売されており、トラピチェでも演奏で使っています。
 ある日サヤが割れて中の豆が散らばってしまいました。
  せっかく?なので、いくつかビニールポットに播いてみることに・・。
 うまく育って豆が収穫できれば、お金を出して買わなくても楽器が手に入るわけです。もし売れれば収入になるかも。

 

  種子としてのナタマメ

 

  豆の形、大きさはジェリービーンズぐらいです。
 ポットに播いてはみたものの、一週間以上待っても、一向に芽が出る気配がありません。
 掘り出してみると腐っている様子もないので、たぶん生きてはいるはずです。
 そこで、「植物の一種で、種皮が硬くて、皮に傷がつかないと発芽しないものもある」っていうのを、どこぞで聞いたのを思い出し、豆にカッターで切れ込みを入れてみました。表皮が樹脂状で相当厚く、硬いことが分かりました。
 そのまま、水に浸してしばらくすると、硬い表皮がボロボロになり、1日もすると約2倍ほどの大きさに膨らみました。水を吸収して、種が活動を始めたのです。

 

ナタマメの発芽

 豆の表皮に傷をつけ、一日水に浸してから、ポットにまき直し、発芽に成功しました。
 遠いところから日本に運ばれ、パーカッションとして、しょっちゅう、振り回されたり、ぶつけられたりしていたはずなのに、丈夫なものです。  3個ほどの豆が発芽しました。
 本葉が開くと、ネムノキに似た木であることがわかりました。
 水分が不足すると、もちろんしおれてきますが、水をかけすぎても根が弱り、葉が黄色くなってぽろぽろ落ちました。
 水掛けには注意を払いましたが、鉢に紛れ込んだ雑草のしおれ具合が、土の水分調節の目安になりました。雑草がちょっとグッタリするぐらいがちょうど良かったです。

 

結蕾(けつらい)

 冬の寒さには弱そうな感じだったので、冬場は温室に入れました。それでも、葉っぱは全て落ちてしまいました。
 春になって、再び葉が茂ってきたのは1本だけでした。
 寒くなると落葉して春に新葉が芽生える、こんなことを繰り返して豆の木は少しずつ大きくなっていきました。
 葉の色が淡くなってくると肥料を与え、鉢も成長に合わせ少しずつ大きなものに換えていかなければなりませんでした。
そして、5年目の春、葉っぱとは形の違う芽が出ているのを発見しました。
 「つぼみ」がついたのです。

 

開花

  つぼみは順調に膨らんで、花が咲きました。つぼみからは想像できないほどの大きさで、4月初めのふんわりとした暖かさには、およそ似つかわしくない鮮烈な赤色の花です。やはり南国の花なのでしょう。見た人は皆、目を見張りました。
 花はたくさん咲いたのですが、結局、豆莢にまでは育ちませんでした。
 花や葉の形状からこの豆の木は「ホウオウボク」の仲間であると考えてます。
                                                 記:辻 英明

  

 


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